仕事のためにプライベートを犠牲にするのではなく、仕事もプライベートもバランス良く充実した生活を送りたい労働者が増えている。
こうしたバランスをワークライフバランスと言うが、ワークライフバランスの取れた生活を実現するためには、労働の時間を短縮することが必要不可欠である。OECDが発表した2014年の調査では、日本の年間での労働時間は約1740時間で26ヶ国中15位とそれほど高い順位ではない。ただし、この調査ではサービス残業の時間が含まれていないので、実際の順位は15位より上になると考えられる。
また、総務省の労働力調査を元に割り出した年間の労働時間は男性が約2300、女性が約1800で、男女平均が約2100となっている。この調査は労働者への聞き取り調査を元に発表されているので、より実態に近く、サービス残業も含めた労働の時間だと考えられるのだ。つまり、日本では年間で400時間近いサービス残業の実態があり、その時間も含めるとOECDの調査結果でも順位が大きく上昇することになる。
日本はサービス残業を除いた労働の時間は余り多くないが、サービス残業を含めるとかなり多いので、いかにサービス残業を減らすかが労働時間を短縮するカギとなるだろう。サービス残業を減らし勤務時間内に仕事を終わらせるためには、生産性を向上させることが大切だ。しかし、日本では長時間働くことが美徳とされる風潮があるので、まずはその意識を変えることが重要かもしれない。生産性の高いドイツなどの欧米諸国では勤務時間内に仕事が終わらないと仕事が出来ない人と評価される文化があるので、日本でもそれぐらいの意識改革が必要だと思う。